東京慈恵会医科大学の浦島充佳教授らは24日、授乳中の母親から詳細な食習慣を調査し、離乳食開始前の乳児で24種脂肪酸の血清レベルとの関係を解析したと発表した。その結果、母親が青魚、白身魚を摂取する頻度が多ければ多い程、それに比例して乳幼児の脳の発達に重要なドコサヘキサエン酸(DHA)の血清レベルも上昇することが分かっている。
268人の離乳食開始前で生後5~6カ月の乳児血清を用いて、ガスクロマトグラフィー質量分析法により脂肪酸24成分を測定。また、同時期に授乳中の母親の青魚やナッツなど38品目の食品摂取頻度と乳児の哺乳状況を調査した。
38種の食品のうち、「青魚」と「白身魚」の2種類のみ、食べる頻度が増えれば乳児の血清DHAレベルも上昇した。これら2種類の魚の摂取頻度を組み合わせて作成した新しい変数 「青魚-白身魚」もまた乳児の血清DHAレベルと比例関係にある。
一方で、サケ、まぐろ、カジキマグロなどの他の種類の魚や、ナッツ類、乳製品、卵、油、揚げ物、肉、豆類などの食品カテゴリーでは、血清DHAレベルと有意な相関はなかった。
浦島教授は「お子さんには可能な限り母乳中心での育児をお勧めしたい。授乳中の母親にはサバやイワシなどの青魚か、タイやタラなどの白身魚を乳児期の脳の発達に重要なDHA血清レベルを上げるために接種してほしい」と話している。