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自閉スペクトラム傾向の人は「0か100か」で考えやすいのか? 名大准教授らが研究

名古屋大学の平井真洋准教授らは、大学生と一般成人を対象とした研究により自閉スペクトラム傾向の高さは不確実さ不耐性を媒介して二分的思考に至りやすいことを明らかにした。

近年、ASDがある人の認知モデルが提案されている(Starkら2021)。このモデルはASDがある人は0か100かの二分思考に至るのではないかと仮定されるが、そのエビデンスはない。そこで研究ではアンケートを用いてその妥当性を検討した。

151人の成人を対象とした質問紙調査により、自閉スペクトラム傾向の高さは不確実さ不耐性を媒介して二分的思考に至ることを確認した。この結果を踏まえて、大学生と同年代(20~22歳の男女)のさまざまな職種の非臨床の500人を対象とした調査でも同様な偏りが見られた。

今回はASD非臨床群を対象とした。その結果、提案モデルの想定と一致して自閉スペクトラム傾向の高さが不確実さ不耐性を媒介して二分的思考に到達する可能性を見出した。

研究チームは「今後は認知神経科学的手法を使って、ASDがあるお子さんを対象とした研究を進めていくことにより、その背後にある神経メカニズム、さらにはその発達について解明していくことが期待される」と説明している。