筑波大学の中山雅雄教授らの研究チームは19日、対面通過時のエアロゾル粒子数は、歩行、ジョギング、ランニング、スプリントで通過後5秒以内にピークとなり、その後急速に低下していくと発表した。
研究では、マネキンと粒子追跡流速測定システムを用いて対面通過時における噴流由来のエアロゾル粒子の流れ場を可視化、計測して、ウイルス暴露リスクを明らかにした。さらに歓喜の有無による腔力的特性の違いがウイルス暴露リスクに及ぼす影響を比較した。
その結果、換気の有無にかかわらず、対面通過時のエアロゾル粒子数のピークは、歩行、ジョギング、ランニング、スプリントでともに5秒以内に発現して、低下していくことが分かった。
通過スピードが速いほど、このピークは小さくなる。これは呼気と外気の相対速度が増大して粒子の拡散が促進されるためと考えられた。さらに、換気条件下におけるエアロゾル粒子数は無喚起条件下に比べて、少ないことが判明している。
研究チームは「対面通過時のウイルス感染リスクを低下させるためには、呼吸を中断する、少なくとも1メートル以上の距離を確保する、風上に位置するなどの対策を対面通過後5秒以内に行うことが特に効果的」としている。