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シカ増加に伴う土壌浸食でブナが衰退 九大助教らが採食の森林生体に与える影響調査

九州⼤学の⽚⼭歩美助教らの研究グループは、シカの植⽣採⾷が⻑期的に続く九州南部のブナ林で、⼟壌侵⾷と樹⽊成⻑の関係を調査した。その結果、⼟壌侵⾷の指標である根系の露出程度が⾼いブナほど、毎年の着葉量や幹の成⻑量が低いことが明らかになった。

研究グループは、シカの植⽣採⾷が⻑期的に続く九州南部のブナ林で、⼟壌侵⾷と樹⽊成⻑の関係を調査。各ブナの葉生産量、幹部肥大成長量、細根生産量を計測して、ブナの年輪試料を採取した。

その結果、⼟壌侵⾷の指標である根系の露出程度が⾼いブナほど、毎年の着葉量や幹の成⻑量が低いことが明らかになった。また、ブナの成⻑低下は本地域でシカが増加し、下層植⽣が減少した時期から⽣じていることが年輪解析から分かっている。

研究グループは「シカの採⾷は⼭岳林でブナの成⻑を低下させる可能性があることが分かった。この知⾒が⼈とシカとのより良い共存に役⽴つことを願うと共に、私たち研究チームはシカ採⾷が森林⽣態系に与えるインパクトやシカ対策による保全効果の評価について引き続き研究を進めていきたい」とコメントした。