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「グリニャール反応、未知の不純物生成を精度良く記述」東大教授らが数理モデル構築

東京大学の杉山弘和教授らの研究グループは、ファーミラ㈱とシオノギファーマ㈱との共同研究により、医薬品合成で広く用いられるグリニャール反応についてメカニズムが未知の不純物生成を精度良く記述できる新しい数理モデルを構築した。

グリニャール反応は、120年以上に渡って活用されてきたが、未だに不純物の生成機構が解明されていない。

そのため、デジタル技術を活用したプロセス設計が制限されている。研究では、熱収支に基づく物理モデルと不純物生成を表す機械学習モデルを融合させたハイブリッドモデルを開発することで、生成物と不純物の定量的評価を可能にした。

研究チームは「シミュレーションによるデジタル空間での条件探索は、試行錯誤的な実験に頼らないプロセス開発、さらには開発時間とコストの削減を通した新薬の迅速かつ効率的な上市に貢献する」としている。