文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
「焼かずに」セラミックス固体を製造する技術 産総研研究員らが開発、AIとロボットが協力

産業技術総合研究所(産総研)の山口祐貴主任研究員らは、ロボットによるハイスループット自動実験と機械学習などの人工知能(AI)を用いて、100度以下で複合酸化物ナノ結晶粉末原料を合成し、さらに機能性セラミックス固体を化学焼結プロセスで製造できる条件を短時間で探索する技術を開発した。

セラミックス固体を製造するには、一般的に1000度を超える高温での焼結が必要。産総研は、原料間の化学反応を利用して、100度以下の低温で複合酸化物からなるセラミックス固体を「焼かずに」製造する研究開発を行っている。

これまで、手作業での低温製造には時間がかかるため、「焼かずに」製造できる複合酸化物は数種類しか発見できていなかった。粉体秤量(ひょうりょう)の自動化装置と人協働ロボットを活用することにより、短時間で多くの低温製造実験が行えるようになった。

また、得られた大量のデータを用いて、材料組成や合成温度などの最適条件をAIに予測させた結果、数十種類の複合酸化物セラミックス固体が化学焼結プロセスで製造できることを見出している。

研究チームは「化学焼結プロセスは、外部から圧力をかけなくても、高い結晶性を有する複合酸化物が得られることが特徴。製造温度の飛躍的な低減によって、機能性セラミックス固体の製造時における二酸化炭素の削減に貢献する」としている。