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超音波画像で舌癌患者の転移を高確率予測 広島大研究Gが発表

広島大学の小西勝講師らの研究グループは、舌がんの超音波画像の画像特徴量を抽出し、その画像特徴量と機械学習を組み合わせた解析による頸部リンパ節転移の予測精度の研究を行った。解析によって舌がんの頸部リンパ節転移を高い確率で予測できることが示されている。

研究では、舌がんの超音波検査画像が持っている画像特徴量から頸部リンパ節転移を予測できないかと考え、舌がんの超音波画像の画像特徴量を抽出。その画像特徴量を機械学習によって頸部リンパ節転移の予測精度について調べた。

口腔内超音波検査を施行した舌がん患者120人を対象とし、そのうち30人は首のリンパ節に転移が生じていた。超音波画像において病変に該当する低エコー領域に加えて、周囲3ミリメートルの範囲を含めて画像特徴量の抽出領域に設定している。

もうけた範囲の画像特徴量から機械学習モデルを使って、感度、特異度、精度の曲線グラフを作成して、その線の下の部分の面積(AUC)を算出して診断機能を求めた。

その結果、最も良い学習モデルで、感度0.900、特異度0.967、精度 0.950、AUC0.967であり、良好な予測精度が得られました。舌がんの超音波画像の特徴量解析と機械学習を組み合わせた解析によって頸部リンパ節転移を高い確率で予測できることが示唆されている。

研究グループは、「今後は、より高い精度で頸部リンパ節転移を予測できるように超音波画像だけでなく、CT、MRI、PETなどの他の画像も組み合わせて研究を進めていきたい」としている。