九州大学の加藤幸一郎准教授らの研究グループは、機能性高分子の中でも水素社会実現の鍵と期待される燃料電池や水電解の重要部材であるアニオン交換膜に着目。分子構造に基づいてアニオン伝導度やその劣化挙動を高精度に予測可能な機械学習モデルを構築した。
データ科学手法の発展にともない、化学材料とデータ科学の融合研究が盛んに行われているが、エネルギーをはじめ環境、バイオなどの社会生活を支える基幹材料群である機能性高分子分野への適用はいまだ殆どなされていない。
研究チームは機能性高分子の中でも燃料電池や水電解の中核となる材料である高分子電解質膜に着目。62報の研究論文からアニオン伝導度を抽出することで独自のデータベースを構築してアニオン伝導度を予測可能な機械学習モデルの構築に成功した。
研究チームは「本研究で考案した単独、共重合体を一元的に表現する方法は、アニオン交換膜に限らず広範な機能性高分子に適用可能であるため、様々な分野への展開が期待される」としている。