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特定検診実施率と透析導入率に都道府県ごとの差 新潟大の研究Gが確認 

新潟大学の若杉三奈子特任准教授らの研究グループは17日、特定健診実施率にも都道府県差があることに着目し、透析導入率(SIR)との関連を検討した。その結果、特定健診実施率を高めることで、SIRの都道府県差を小さくできる可能性が示唆された。

研究によると、2019年の特定健診実施率は全国で55.3%であったが、低い都道府県では 44.2%、⾼いところでは65.9%と都道府県差を認めた。透析導⼊率も自治体により異なり、SIR は 0.73(全国平均よりも透析導⼊率が27%低い)から 1.34(全国平均よりも透析導⼊率が34%⾼い)と都道府県差が確認。

40〜74歳での慢性腎臓病(CKD)有病率は全国で16%(約6⼈に1⼈がCKDに相当)でしたが、都道府県によって11%から20%と、最も低い所と⾼い所で約2倍の差がでた。 腎臓内科医割合は全国で1.7%であったが、都道府県により0.2%~2.3%と約10倍の差があった。 特定健診実施率が⾼い都道府県はSIRが低く、両者には有意な負の相関がある。

さらに、特定健診実施率が⾼い都道府県では40〜74歳におけるCKD有病率も有意に低く、⼀⽅、腎臓内科医割合が有意に⾼かった。 構造⽅程式モデリングでは、特定健診実施率はSIRに有意な負の関連が表されている。

さらに、特定健診実施率はCKD有病率へも有意な負の関連を⽰しました。腎臓内科医割合はSIRへの有意な直接効果を認られなかったが、健診実施率を通じた有意な負の間接効果を認めた。このモデルは⾼い適合度を⽰し、都道府県におけるSIR差の14%が当モデルで説明可能と考えられる。