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時差ボケ回復のカギは「下垂体シグナル」 関西大研究Gが初発見

関西大学の山口賀章准教授らの研究グループは17日、視床下部 AVP と下垂体 V1b のシグナルが、体内時計の中枢である視交叉上核(SCN)の元の生体リズムの保持に貢献することを明らかにし、時差ボケからの体内時計の回復に重要な役割をすることを解明した。シフトワークに関する病態を改善する創薬につながる可能性もある。

研究グループは、コンディショナルノックアウト(CKO)という、体内の一部の臓器や組織だけで標的とした遺伝子を欠損させる手法を駆使。視床下部 AVP によって活性化された下垂体 V1b のシグナルが SCN のソマトスタチン細胞に作用し、生体リズムの頑強性を構築することを見出した。

研究グループは「今回初めて、視交叉上核以外の神経内分泌機構が時差ボケの形成に関与することを明らかにした。私たちの今後の目標は、この時差ボケ形成機構を分子レベルで完全に解明することで、今後のシフトワークに関連した病態を是正する創薬を推進したいと思っている」と述べた。