新潟大学の岡本圭一郎准教授らの研究チームは、八海醸造㈱および新潟県農業総合研究所食品研究センターとの産官学連携により、米麹(こうじ)から抽出されたエキスは、心理身体的ストレスが引き起こす不安や痛みを軽減することを、モデル動物および培養細胞モデルを用いて解明した。
⼼理⾝体的ストレス状態のマウスに、⽶麹(こうじ)エキスまたはそれに含まれるエルゴチオネインを連⽇、経⼝投与するとストレスを誘発する⾏動が減ること、そのメカニズムは床下部や延髄の⼤縫線核、腰髄などで不安や痛みの情報を処理する領域に存在する神経細胞の興奮性の改善によることが⽰唆された。
また人の神経細胞様細胞を⽤いた実験では、⽶麹エキスまたはエルゴチオネインは神経栄養因⼦であるBDNFの発現を調節するなど、細胞レベルでの機能発現に影響を与えることも明らかになった。
研究チームは「酒粕など、新潟県の看板⾷品ともいえる⽶発酵⾷品によるストレス軽減作⽤を検討することで、より安全性の⾼い、かつ簡便なストレス軽減法の開発を⽬指す」と意気込んだ。