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コロナ患者への早期リハビリの有用性を実証(大阪公大)

大阪公立大学の池渕充彦講師らの研究グループは17日、ICUで挿管呼吸管理下の重症新型コロナウイルス感染症患者に対する早期リハビリテーションを実施し、機械学習を用いた因子評価によりその効果の有用性を実証したと発表した。

研究では、2021年4月~6月に大阪公立大学(当時大阪市立大学)医学部附属病院に新型コロナウイルス感染症の重症患者として入院した57人のうち34人に、覚醒レベルに応じた呼吸練習、関節可動域練習、筋力強化練習などの早期リハビリテーションを実施。リハビリテーション介入群と非介入群の活動性を調査して比較した。

その結果、リハビリテーション介入群は非介入群に比べ、活動性の指標である座位や立位の達成数、IMSにおいていずれも有意な効果を実証できた。さらに、懸念されていたリハビリテーションスタッフへの二次感染や防護服破損、人工呼吸器閉鎖回路の破綻等の医療事故はなかったという。

池渕講師は「二次感染することなく、患者さまに貢献できたことを誇りに思う」とコメント。研究グループは「事前学習やマニュアルなどの整備や十分な指導と教育を行うことで、今後の未知なる感染症においても応用が期待できる」としている。