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デンプンから生分解性高性能ポリマー開発 分別処理が不要な紙おむつ開発への貢献に期待(阪大)

大阪大学の宇山浩教授らは16日、安価なデンプンをベースとして生分解性高性能ポリマー(SAP)を開発したと発表している。自然界に豊富に存在する天然物でデンプンを化学修飾し、多孔質粒子状に加工することで高速吸水を可能とした。分別処理が不要な紙おむつ開発への貢献が期待される。

紙おむつの分別処理は何ごみか分かりづらいことやおむつから生まれる感染症から社会問題化している。

宇山教授らは安価なバイオマス資源であるデンプンに着目。デンプンは親水性で優れた生分解性を示すもの。今回、柑橘類などに含まれる天然物を用いてデンプンを化学変性することで生分解性SAPを開発した。この天然物は工業的に発酵法で製造されており、比較的安価で食品添加剤として多用されています。開発した変性デンプンは吸水性に優れ、人工尿を高速で吸収するため、紙おむつ用SAPとして期待される。

生分解性SAPという環境素材の製造を意識して、化学変性には少量の水のみを使用して、環境に優しい方法で変性デンプンを合成した。デンプンと天然物を均一に混ぜるために少量の水を用い、加熱による反応時に水を蒸発させて固相で化学変性を行った。

その結果、デンプン/天然物を1~2ミリ程度の粒子状に加工し、反応時に多孔質化させることで水を迅速に吸収することができた。水や人工尿を1分以内に吸収し、膨潤度は約20倍に達している。

宇山教授は「開発した変性デンプンの加工方法を検討することで実用性のある生分解性SAPに改良し、紙おむつ廃棄物処理に貢献できることを願っている」とコメントしている。