文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
ロボアーム運動生成、旧来比4倍の高速計算手法開発 「デジタルアニーラ」用いた世界初の取り組み(早稲田大)

早稲田大学の高西淳夫教授らの研究グループは16日、富士通㈱との産学連携により次世代コンピューティングの1つであるアニーリング方式に属する、富士通の組み合わせ最適化問題を高速で解く技術「デジタルアニーラ」を用いて、ロボットの構造に応じたエネルギー消費の少ない運動を高速で計算する手法を提案した。量子インスパイアード技術をロボットアームの運動生成に活用する取り組みは世界初となる。

研究では、次世代コンピューティングの一つであるアニーリング方式に属する富士通のデジタルアニーラを用いて、ロボットの構造に応じたエネルギー消費の少ない運動を高速で計算する手法を提案した。

手法では従来の運動生成手法よりもはるかに高速に、ロボットの可動範囲全体を考慮した低エネルギー消費の運動を生成できることが分かった。一例として、ロボットの運動を数式として表現して連続的に計算する「内点法」を用いて440秒かかっていた3秒間のロボット運動生成を、デジタルアニーラによる計算100秒で完了できました。

また、ロボットアームを前に伸ばす動作や、腕を上げる動きをシミュレーションし、ロボットの各部の重さや長さ、ばねの有無などを考慮してエネルギー消費を計算することで、腕を伸ばす際に短い状態で待機してから伸ばす動作や腕を上げる際に真上にゆっくり上げてから少し前に出すような動作が生成された。

さらに、ロボット内にバネがある場合には、ばねが補助できる範囲で腕の重さを支えてもらえる位置に腕を移動した後、目標に到達する運動が生成された。これらによって、一般的な比較対象として用意した、運動の開始地点から終了地点までの等速直線軌道を通った場合に、関節に必要な力の合計が約10%減少でき、エネルギー消費が少なくなった。

研究グループは「複雑なロボットの運動は既存の計算手法では解くことが難しく、量子コンピューティング技術を用いることでロボット技術もさらに発展すると思うので、これからも研究を進めたい」と話している。