東京理科大学の中島将博准教授らの研究グループは16日、多糖「OPG」の糖鎖骨格合成に必須と考えられる遺伝子opgGとopgDの産物について解析し、これらがβ-1、2-グルカンを基質とする糖質加水分解酵素(GH)であることを見出したと発表した。構造をもとにした新たな薬の開発も可能。
多くの病原菌で、opgGの機能を欠失させるとOPGが合成されず、病原性が失われることが知られている。しかし、その産物であるタンパク質OpgGの生化学的機能については遺伝子が発見されてから30年以上もの間、解明されていなかった。
そこで、研究ではOpgG及びその類似遺伝子であるOpgDについて、機能構造解析を行った。すると、OpgGとOpgDは、β-1,2-グルカンを加水分解するβ-1,2-グルカナーゼであることが明らかになった。
これらは既知のGHファミリーとはアミノ酸配列、構造が全く異なるため、新しいタイプの酵素群として新規のGHファミリー(GH186)が創設された。さらに、OpgDはGHファミリーには先例のない反応メカニズムをもつことも判明している。