筑波大学の市川政雄教授らの研究グループは13日、2016~20年に全国で発生した交通事故データを基に、高齢運転者が事故を起こすリスクを検証した。事故リスクは、若年運転者と比べれば低いことが分かっている。が、死亡リスクは高齢者が高くなっている。
調査によると、免許保有者10万人あたりの事故件数は「18~19」「20~24」「25~29」歳の順で多かった。最低は「55~59歳」となっている。一方で、死亡事故の当事者が死者数に占める割合を見ると、最も割合が大きいのは「85歳以上」。次に「80~84」「75~79」歳と続いていた。
市川教授は衝突相手の死傷リスクが他の年齢層と同等であることを踏まえて、「運転をやめることで健康を損なうリスクが生じうることを考えれば、高齢運転者に対して過度に免許返納を求めることは控えるべきかもしれない」とコメントしている。