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ゲノム編集ニワトリ「gサムライ」が誕生 ゲノム編集による新品種作出に期待(徳島大)

徳島大学の竹本龍也教授らの研究チームは13日、ニワトリ始原生殖細胞の可視化と薬剤依存的な除去を可能にするゲノム編集ニワトリを作出したと発表した。今後は効率的な新品種の開発に取り組んでいく方針だ。

研究では、始原生殖細胞(PGC)でのみ発現する 「CVH遺伝子」に注目。CVH遺伝子座に蛍光レポーター遺伝子「mCherry」と、酵素反応によって細胞障害性物質を作るニトロ還元酵素遺伝子「NTR」とを挿入することで、始原生殖細胞の可視化と、薬剤依存的除去を実現するgSAMURAI ニワトリをゲノム編集によって作製した。

ニワトリ胚からPGCを摘出し、体外培養後、mCherry遺伝子とNTR遺伝子とを PGC特異的に発現するCVH遺伝子座に挿入しました。得られたゲノム編集PGCを、代理母ニワトリに移植した。この代理母ニワトリの生殖巣には、移植されたゲノム編集PGCが定着する。成鶏になったニワトリ(F0個体)を野生型ニワトリとかけ合わせ、ゲノム編集ニワトリ個体(F1)を誕生させることに成功した。

作出したゲノム編集ニワトリは、CVH遺伝子座にmCherry蛍光タンパク質遺伝子およびNTR遺伝子が挿入されており、赤い蛍光が精巣・卵巣特異的に確認されました。また、プロドラッグMTZを投与すると、生殖細胞でのみ発現しているNTRの作用によって生殖細胞のみが除去できることが確かめられた。

研究グループは「成果を基盤として、胚発生におけるニワトリ始原生殖細胞の分化の仕組みを探究するとともに、効率的なゲノム編集ニワトリ作出によって新品種の開発に向けて取り組みたい」と力を込めた。