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腸上皮化生に関わる線維芽細胞 東大教授らが同定

東京大学の石川俊平教授らの研究グループは13日、人の胃の13万7610細胞のシングルセルごとに遺伝子発現データを調べる「RNA-seq」及び24万4445細胞の位置情報を保って発現データを取得する「空間遺伝子発現解析」を行った。

上皮細胞のシングルセルRNA-seq解析では、正常な胃粘膜および腸上皮化生に共通する上皮細胞の幹細胞マーカーとして新たにLEFTY1を同定しました。線維芽細胞の解析では、腸上皮化生の上皮性変化に先行して、線維芽細胞の亜集団(PDGFRA・BMP4・WNT5A 陽性線維芽細胞)が増加することを明らかにしました。

空間遺伝子発現解析では、シングルセルRNA-seqで同定された細胞の組織内局在を明らかにすることにより、腸上皮化生上皮細胞とPDGFRA・BMP4・WNT5A 陽性線維芽細胞が強く相互作用していることを明らかにした。

研究グループは「さらに詳細な病態解明および、予防・治療に向けた研究への応用が期待される」としている。