京都大学の後藤龍太郎助教らの研究グループは11日、紀伊半島沿岸の海底においてボネリムシの巣穴の共生生物群集を調べ、その中からボネリムシに共生する新種の二枚貝「ヨカゼガイ」とヨコエビ「ボネリノマルハサミヨコエビ」を発見したと発表している。
和名の由来はそれぞれの生活スタイルにある。ヨカゼガイは、宿主のボネリムシが夜行性で、ボネリムシが巣穴から口先を出す夜でないと、住処をなかなか見つけられないことから、夜にちなんだこの和名がついた。
また、ボネリノマルハサミヨコエビは、ボネリムシと共生するマルハサミヨコエビ属の1種ということで命名された。
後藤助教は「ボネリムシは温暖な浅海に生息し、夜になると岩の中の巣穴から緑色で Y 字型のひょろながい口先だけを海底に伸ばして現れる不思議な生物だが、その巣穴の中に隠れて暮らす未知の二枚貝やヨコエビがいたことが分かり、とても面白く感じる」と研究と発見の楽しみを表現している。