大阪公立大学は10日、藤井准教授らの研究グループがハワイのマウナケア山頂に設置されている「すばる望遠鏡」の超広視野主焦点カメラが空気シャワーを可視化できていることを発見した。物質優勢の宇宙となった手掛かりを見つけることが期待されている。
すばるにとってはノイズとなる宇宙からの放射線「宇宙線」。これは天体観測において、除去されてきた。研究グループはそのノイズに着目。
2014~20年にかけて撮影された約1万7000枚の画像を解析すると、そのうち13枚に通常の飛跡数を大きく超える空気シャワーと呼ばれる粒子群を発見。検出されたシャワーは同じ方向を向いていることから1つの宇宙線から生成されたものであると明らかになっている。
研究チームのFraser Bradfield大学院生は「将来的には、この研究の新しい観測手法と伝統的な観測手法の特長を生かし、宇宙線の解明に重要な粒子種を決定したい」とコメントしている。