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化粧品用酸化チタンを改良 次世代蓄電池の負極材料に適用(鳥取大)

鳥取大学工学部の薄井洋行准教授らの研究グループは、酸化チタン(TiO₂ )に対して微量のニオブ(Nb)や銅(Cu)を加えたり、原子の並び方を整えたりする工夫により、次世代蓄電池に相応しい優れた負極性能を引き出すことに成功した。

リチウムイオン電池において、ルチル型TiO₂は安全性、高速充放電、耐久性を兼ね備えた次世代負極材料となることを見出した。化粧品用途では、肌に透明感を与える単結晶TiO₂ ナノ粒子が使用されている。

この研究では、このTiO₂ をそのまま負極に使用しても優れた特性が得られることを発見した。また、TiO₂に不純物元素をドープすると、36秒の短時間で充電が終わる高速充放電下でも実用の負極(Li₄Ti₅О₁₂)を上回る特性を示すことを確かめた。

この負極は2万回もの長い間充放電を繰り返しても性能を維持。これは、毎日1回充放電を行った場合では50年以上もの耐久性に相当する。

ナトリウムイオン電池にもルチル型TiO₂を適用できることを初めて見出した 。リチウム資源は供給不足と価格高騰が懸念されますが、海水にほぼ無尽蔵に含まれるナトリウムは安く大量に入手できる。資源に乏しい日本にとってナトリウムイオン電池の意義は極めて大きい。ただし、Li+よりもサイズの大きいNa+は固体の結晶構造の中を動きづらい問題があった。これに対し研究では、不純物元素のドープにより Na+が移動しやすい通り道が形成され、TiO₂ のNa吸蔵-放出量が増加することを解明した。

固体電池の負極にもルチル型 TiO₂ が適用できることが分かった。固体電池は、電解質を従来の液体から固体に置き換えた次世代蓄電池。固体電解質の種類に応じて硫化物系と酸化物系に大別されるが、ルチル型TiO₂は酸化物系固体電池の負極として充放電できることを確認した。