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東京医歯大などの研究Gが確認 RpA1による遺伝子治療の基盤メカニズム

東京医科歯科大学の岡澤均教授とトロント大学の共同研究グループは10日、DNA損傷修復で、複製タンパク質「RpA1」の構成する二つの複合体に異なる機能があることを明らかにした。正規型RpA1複合体と代替型RpA1複合体との間でDNA損傷修復機能とCAGリピート伸長への影響が異なることが判明している。

研究グループはRpA1が他のRpAファミリー分子とともに形成する複合体において、正規型複合体と代替型複合体の間で機能が異なることを発見した。正規型はDNA損傷修復を促進して脊髄小脳失調症の原因であるCAGリピートを維持もしくは短縮するのに対して代替型はDNA損傷修復を阻害してCAGリピート伸張につながることを明らかにしている。

加えてRpAファミリーの病態下の遺伝子発現、インタラクトームについても詳細な解析を行った。その結果、正規型と代替型ではDNA損傷認識後の一連の複合体形成に違いがあり、最終的にCAGリピートへの影響があると考えられた。

研究グループはRpA1によるDNA損傷修復とCAGリピート体細胞変異の関係がより明確になったことと、RpA1の治療効果が再度確認されたことが大きな成果であったと評価している。