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中性子星でも地震が起きている? 東京大が高速電波バーストと地震の類似性を発見

東京大学の戸谷友則教授らによる研究グループは、謎の天体現象「高速電波バースト(FRB)」を調べることで、地震と性質がそっくりの余震が起きていることを明らかにした。2点相関関数と呼ばれる手法を初めてFRBに適用した。

研究チームが着目したのは、1つの中性子星で発生しているFRBの発生時刻の統計的性質だ。最も活動的な3つのFRB源から検出された7000回に近いバーストの発生時刻とエネルギーの間に相関があるか調べるため、2点相関関数と呼ばれる手法を初めてFRBに適用した。

その結果、1つのバーストが発生した直後は関連した余震のバーストが起きやすくなっていることが判明。その起きやすさが経過時間のべき乗で減衰することも分かった。また、あるバーストの後、余震が起こる確率が10~50%というのもFRBと地震で共通していた。

また、FRBや地震の活動性は変動しており、活動性の高い時期は多くのバーストや地震が起こる。この余震が発生する確率はどちらの現象でも普遍的で常に安定して同じ割合で生じるわけではないことも判明している。

さらにあるバースト/地震とそれに続く余震の間にはエネルギーの相関が見られないことも共通している。一方で、太陽フレアに同じ解析をしたところフレアはFRBや地震とは全く異なるという結果が出た。

研究グループは「今回の研究で、FRBを使って中性子星の内部物質を探るという新たな可能性が見えてきた」と説明している。