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東京大などの研究Gが6つの提言 労働者の精神健康保持方法を研究

東京大学の川上憲人特任教授は海外の研究者と共同で、労働者の精神健康の保持について2つのことを明らかにした。研究結果を基に、六つの提言を発表。職場のメンタルヘルスの基盤となることが望まれている。

研究グループは物理・科学的、人間工学的、心理社会的な労働環境への暴露と精神障害の発症に関する前向き研究について2017~21年までの間に公表されたメタ分析を行っている系統的レビューを検索。1242件がヒットして、そのうち7件のレビューから26の労働環境と精神障害との関連性の統合された推定値を抽出した。

その結果、組織公正などの職業性ストレスの理論モデルによる高ストレス状態および職場いじめ・嫌がらせとうつ病性障害の発症リスクとの関係が一貫して確認された。

また、労働者の精神健康を保持する職場での介入に関する調査を行い、組織が「有害を防止する」「仕事のポジティブな面を促進する」「精神的問題に対応する」の3区分で検討。その結果、それぞれについて一定の効果がある可能性が示された。

研究グループは「精神的問題および精神障害のリスクを増加させる科学的根拠のある労働環境を規制し、管理すべきである」など6つの提言を発表。「職場のメンタルヘルス対策の研究および実践を推進する基盤となると期待する」とコメントしている。