上智大学の樋口裕城准教授らの研究チームは11日、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の協力を得て、留学が言語力や国際志向性に与える因果効果について分析したと発表した。留学による外国語能力の向上が明らかになっている。
分析ではより近い実力で留学が学生に与える影響を比べるために、奨学金受給のために先行でぎりぎり受かった学生と漏れた人を比較。大学生と大学院生のみを対象としている。
研究では奨学金の存在により大学生・大学院生の留学確立が40ポイント上昇していることが明らかになった。これはプログラムに合格した人がほぼ全員海外へ行く一方で、不合格であった学生は60%しか留学しないことを意味している。
また、合格した学生の方が有意に長い期間の留学をしており、奨学金によって長期にわたる留学が可能になったという根拠を得た。だが、不合格者のうち6割が、ほかの奨学金や自己資金で留学していると言えるかもしれない。
さらに、奨学金によって英語力が33ポイント上昇していることが明らかとなった。応用言語学の研究で外国語能力構築の重要な説明要因とされている国際的志向性と外国語能力の認知に関するスコアも奨学金で向上していることが明らかとなった。
研究チームは「奨学金によって大学生・大学院生の留学が後押しされ、英語力が向上し、さらなる外国語能力の構築につながるような態度が醸成されていることが明らかになった」とコメントしている。