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「ニオブ」材料とした伝送損失の少ない導波管 名大研究チームが発明

名古屋大学の中島拓助教らの研究チームと、自然科学研究機構国立天文台などは共同で、超伝導金属である「ニオブ」を材料に用いたミリ波電波用の導波管を開発した。超伝導状態にある導波管の伝送損失が一般的な金属材料の導波管に比べて、桁違いに小さいことを発見したと10日に発表している。

研究では純ニオブ財を加工機で切削、この材料で純伝動波管を制作した。共振特性を測り、伝送損失を見積もる「共振器法」を使って測定した。ニオブ財や金メッキで冷却することで共振がより深くなることが確認され、特にニオブは1万倍以上も大きくなった。

この共振特性を電磁界シミュレーションによって再現することにより、それぞれの金属の導電率と伝送損失を算出。その結果、超伝導状態にあるニオブの導電率は1.8×1011S/mと計算された。この値はアルミニウム合金や金と比べると1千~1万倍も高い値である。

研究グループは「100GHzを超える周波数帯を用いるBeyond5G/6G通信システムでは導波管が使用される可能性が高く、高効率な高周波情報通信の実現にも貢献することが期待される」としている。