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骨髄不全にかかわるRAD50の異常 東京医歯大などの研究G発見

東京医科歯科大学の髙木正稔寄附講座教授らの研究グループは他大学との共同研究で、骨髄不全と免疫不全を伴う疾患の原因が、RAD50の異常によることを突き止めた。

小頭症、精神発達遅滞、鳥様顔貌などを有する女児にタンパク質翻訳領域だけを対象にシーケンスを行う「全エクソーム解析」を行ったところ、RAD50遺伝子にこれまでに報告がない2つの別形が発見された。

患者由来細胞の細胞生物学的な表現型を解析したところ、RAD50タンパク質の発現とMRN複合体の形成は認められましたが、DNA損傷によるATMキナーゼの活性化は著しく低下していた。

しかし、患者由来細胞株は、ATMキナーゼの活性化が低下しているにも関わらず放射線感受性は明らかではなかった。また、野生型のRAD50を患者由来細胞に導入することで、細胞生物学的な異常の回復を確認した。

研究グループは「MRN 複合体のひとつであるRAD50はヒトの骨髄細胞と免疫細胞において重要な働きを果たしていることが明らかとなり、RAD50の異常によって毛細血管拡張性運動失調症(AT)、NBS、ATLDと同様に先天性免疫異常症を発症することが明らかとなった」とコメントしている。