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シリコン量子コンピュータの将来設計に重要な示唆 理研や東工大の研究Gがビット間で強い誤り相関観測

理化学研究所(理研)の樽茶清悟グループディレクターらの共同研究グループは5日、シリコンを用いて作成される「シリコン量子ビット」に、量子ビット間で生じる「誤り相関」を観測したと発表した。シリコン量子コンピュータの将来設計と性能向上に大きく貢献することが期待されている。

大規模電子コンピュータで実用的な計算を行うには、量子ビットの誤りに対する耐性が必要と考えられる。その際、量子ビッド誤りの特性、とりわけ量子ビット間の誤り相関が、誤り耐性に大きく影響することが知られている。

共同研究グループは、高密度集積の観点で有望なシリコン量子ビットを用い、量子ビット誤りをもたらす電子スピンの磁場方向を軸とした回転運動「位相回転速度のゆらぎ」を測定した。このゆらぎの量子ビッド間相関を評価することで、隣接するシリコン量子ビッドでは誤り相関が強くなることが分かった。

研究グループは「研究で確立した交差相関に基づくノイズ源の同定手法を用いることで、従来ではノイズ源の特定が困難な状況においてもそれが可能になり、より高品質な量子ビッドデバイスの開発につながると期待される」としている。