海洋研究開発機構(JAMSTEC)は6日、土屋正史副主任研究員らのグループは有人潜水調査船「しんかい6500」と大深度海底設置型観測システム「FFC11K」を使った調査を実施して獲得した柱状の試料から、大量のマイクロプラスチック(MPs)をしたことを明らかにした。
MPsは最終的に深海に到達するため、大きな集積場の1つと予想されている。だが、新会派調査機会が限られており、その分布実態や輸送過程には不明な点が多く残されている。研究チームはMpsの分布、人口密集地からの距離などに着目してその輸送経路を推測した。
そして深海の海底堆積物を調査したところ、これまで知られている数の2~5500倍のMPsが存在することが分かった。また、沿岸と深海平原を比較するとMPsの特徴が異なると判明。
沿岸域では、陸や浅瀬から流出して深海にたまったMPsがプレートの地滑りで移動し、3つのプレートが出会う「三重会合点」に到達すると示された。一方、深海域のMpsは海面から直接沈んできている可能性が高いと考察されている。
研究チームは「Mpsの分析は世界各地で進められているが、数だけでなく重量に換算するなどの共通化した方法を検索し、分析技術や手法の標準化などの検討も進めていく必要がある」とコメントした。