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サイクル可能でプラより優れる 都立大などの研究チームがリバイオベースポリエステルの材料を初開発

東京都立大学の野村琴広らの研究グループは4日、他の研究チームと共同で分解・リサイクル可能で、プラスチックよりも柔軟で強度に優れるバイオベースポリエステルを開発したと発表している。リサイクル可能でプラスチックより優れた強度や伸びを示すバイオベースポリエステルの材料開発に初めて成功した。

研究グループは非可食の植物油とグルコースなどから誘導されるポリエステルに注目。従来の合成の手法「重縮合注法」の懸案であった高分子量のポリマー合成法として、高性能なモリブデン触媒を用いた「オレフィンメタセシス重合法注」を開発した。

通常は分子量の増加と破断するまでの強度と伸びは二律背反関係にあるが、今回得られたポリマーフィルムの機械特性は分子量の増加とともに向上し、プラスチックより優れた特性を示すことを明らかになった。

この成果は、リサイクル可能でプラスチックより優れた引張強度や破断や伸びを示すバイオベースポリエステルの材料開発に初めて成功したもの。セルロースナノファイバーを始めとする天然由来の繊維との複合化によるフィルム特性の改良や高強度化などが可能で、サーキュラーエコノミーを指向したプラスチック材料の研究開発における大きなブレークスルーになると期待されている。