東京工業大学に西森秀稔特任教授らは4日、連続変数の関数を最小あるいは最大にする問題で、関数の最小値を求める方法「量子アニーリング」を使って、古典アルゴリズムと比較して理想的な環境下における量子アニーリングの有効性を実証した。
研究では、連続変数を離散表現する手法を適用し、カナダで量子アニーリングの装置を開発した「D―Wave社」の量子アニーリング実デバイス、理想的な量子アニーリングの模擬実験、連続変数や離散変数向けの各種古典アルゴリズムを比較した。
その結果、理想的な量子アニーリングは実デバイスや古典アルゴリズムに比べて明確な優位性があることを明らかにした。
研究チームは「連続変数最適化問題で今回のような大規模かつ系統的な比較研究はこれまでに例がなく、量子アニーリングの有効な応用領域の拡大に向けて新たな展望が開かれた」としている。