筑波大学は5日、ノンアルコール飲料の提供により飲酒量が減少することを発見したと発表した。過剰な摂取をしている人への貢献が可能になるとしており、今後はノンアルコール飲料による減酒効果がどれくらい持続するのか、どのような集団に効果的なのかを調べる予定。
研究では20歳以上の人を対象に、週4回以上飲酒をしており、ノンアルコール飲料の使用が月に1回ある参加者123人を募った。ノンアルコールを4週間に1回提供する介入群とそうではない対照群を比較。両群には自由に生活するように指示して、アルコールとノンアルコールの摂取量を記録した。
その結果、4週目の時点で介入群が対照群より低値を示した。12週での1日の摂取量のデータを見ると、介入群で11.5g減少して対照群でも2.7g少なくなっている。この12週目についてデータ同士の相関を求める「スピアマン順位相関係数」を算出すると、介入群にのみマイナスの関連が認められた。
同大学は「ノンアルコール飲料が減酒のきっかけになる可能性があること、すなわちアルコールを減らすための有効性が科学的に検証された方法で明らかになることで過剰な摂取をしている人への介入や政策立案などを通して社会への介入が可能になる」としている。