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未知の超音速減少解明に貢献 理研らの研究Gが光のすり抜け現象の観測と制御に成功

理化学研究所の田中隆次グループディレクターらの研究チームは3日、X線領域におけるレーザー「自由電子レーザー(FEL)」が、光が電子を置き去りにして進む「光スリッページ現象」の観測と制御に成功したと発表した。これは未知の超高速現象の解明にも貢献できる発見だ。

研究チームは2015年に光スリッページを制御し単一サイクルFELを実現するための基本原理を見出している。兵庫県立大学が運営するニュースバル放射光施設にある設備を用いた実験により光スリッページを制御することに成功した。

研究チームは「新たな電子デバイスや機能性材料として見込まれている二酸化バナジウムの相転移やグラフェン中の電子の挙動などの超高速現象を解明し、新しい素子・材料の開発を促進することが期待される」としている。