広島大学などの研究グループは3日、半月板の動き方を比較することで半月板後方付着部損傷と歩く癖で生じる力などの関連性を解明したと発表している。歩く癖の修正を通して変形性膝関節症者の新規治療の確立が期待されるとしている。
研究では変形性膝関節症者55人と健常高齢者10人を対象とし、三次元動作解析システムと超音波検査装置を用いて快適歩行中の関節負荷と内側半月板の動き方を同時に測定した。
その結果、健常高齢者の半月板の動き方から、変形性膝関節症者は3パターンに分けられた。また、「膝の横ブレやガニ股歩行によって、足底の地面接地や踏み込み時に発生する膝内側に生じる力」そして「膝曲げ歩行によって発生する膝前面に生じる力」が半月板を逸脱させていました。
さらに健常者の半月板の動き方と類似していないと、逸脱の引き金になる内側半月板後方付着部損傷の発生がより高いことが確認できた。
研究チームは、今後の展開として「歩行中の半月板逸脱を増悪させる力を解明したことで、その力を効率的に減少させる装具や歩き方など、歩く癖の修正を通して変形性膝関節症者の新規治療の確立が期待される」としている。