国立遺伝学研究所の野々村賢一准教授らは29日、イネの茎の構造と発生過程を詳細に分析した。長らく不明であった茎の発生において鍵となるイベントとその時系列を明らかにしたと発表。将来的な作物設計へつながると可能性がある。
研究では遺伝子工学の手法を用いて、葉・根・腋芽を一単位とするユニットである「ファイトマー」を構成する細胞が最終的にどの組織に分化するか決める「運命決定」がどのよう
に起こるのかを解析した。
その結果、「発生に先立つファイトマーの確立」「節になる細胞の出現とそれに伴う茎の運命分岐」「腋芽の運命確立」「最後に節間への運命決定がごく少数の細胞で起こる」という段階的なステップを経て茎の発生が進むことが分かったとしている。
研究チームは「今後、茎発生の各ステップに焦点を絞って分子レベルの研究を展開することが可能となった。茎は単に伸びるだけでなく、養分交換や重力屈性などさまざまな機能を備えており、それらの発生制御メカニズムを明らかにしていくことで、将来的にはより機能的な作物設計へとつながると期待される」としている。
研究チームは「今後、茎発生の各ステップに焦点を絞って分子レベルの研究を展開することが可能となった。茎は単に伸びるだけでなく、養分交換や重力屈性などさまざまな機能を備えており、それらの発生制御メカニズムを明らかにしていくことで、将来的にはより機能的な作物設計へとつながると期待される」としている。