産業技術総合研究所(産総研)の森山実主任研究員らの研究グループは26日、腸内共生細菌が生存に必要不可欠なチャバネアオカメムシにおいて、幼虫と成虫で消化管に発達する共生器官の形態が異なるなど5つの成果を発表した。これらは新たな外注制御技術の開発につながる可能性もある。
研究で新たに分かったことは「幼虫と成虫で消化管に発達する共生器官の形態が異なる」「共生器官の幼虫型から成虫型への切り替えが変態制御遺伝子でコントロールされていること」「幼虫型の共生器官は腸内共生細菌の保持を特化するのに対し、成虫型は加えて食物の消化吸収を行うようになる」「成虫の腸内共生細菌は卵殻形成に必要なアミノ酸を多量に合成すること」「変態に伴うカメムシと腸内共生細菌の変化が、食物を摂取して数日ごとに卵塊を産むカメムシの繁殖力を支えていること」だ。
研究グループは「昆虫における変態と共生の関係の理解は、これらの害虫制御技術の開発にも貢献する」と説明している。