文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
精緻な細胞操作を自律学習 山梨大が人工知能搭載型マイクロ流体システムを開発

山梨大学の浮田芳昭准教授らの研究グループは29日、細胞操作技術の実現に応用できる新しい精密操作装置を開発したと発表した。精緻な細胞操作を自律的に学習する人工知能搭載型マイクロ流体システムを開発。微量な実験をカバーするための自動実験技術としての実用化が期待されている。

装置の中核はマイクロ流体チップだ。この中には、捜査エリアがありバルブの開閉によって細胞を操作する。これまでは細胞を物理的に動かす構造を作っておく必要があったが、今回はそのような構造を設けずに細胞の制御を実現した。

一方、バルブの開閉の切り替えと操作エリア内の溶液の移動の関係は複雑だ。4000通り以上もある切り替え操作を、どのような順序で実行すれば良いのかを考えることは人には不可能とされる。

今回の研究の成果は、この操作手順を適切に判断する人工知能を用いた深層強化学習により実現することによる目的の達成を実証したことだ。

研究グループは「微量の細胞の操作に適することから、これまでの技術では実現が難しい微量な実験をカバーする自動実験技術としての実用化が期待される」としている。