「ICT×プラズマ」でスマート先進農業を実現-。名古屋大学の堀勝特任教授らの研究グループは26日、富士通クライアントコンピューティング(株)(FCCL)との共同研究で、水稲栽培において生体へプラズマ対処を行う「低温プラズマ処理」をすることで、玄米収量増加のみならず品質を向上させられることを見出したと発表した。この技術を用いることで高品質で安定的な米の生産が期待される。
半導体などのさまざまな産業を根幹から支える低温プラズマを医療や農業分野に老い要することが世界中で注目されている。これまでの知見に基づいて大学の試験水田において低温プラズマの実証実験を行った。
実験では、苗の成長点を刺激するプラズマ装置で直接照射する方法と苗を囲むように設置された円筒でがん細胞を殺傷する「プラズマ活性化乳酸リンゲル液(PAL)」に浸漬する2つの方法で実施した。
生育状況の調査を行い、玄米重量から収量を算出。プラズマ照射された苗では酒米品種の『心白米』や玄米の割合が増加していた。これらの結果から、栽培が難しいとされる酒米品種に対する低温プラズマの有効性が示されている。
研究グループは「今後はコンピューティングを活用したプラズマの先進農業システム構築に向けてさらに強力に推進していく」と意気込んだ。