京都大学の杉山暁史准教授らの研究グループは27日、トマト根やトマチンを添加した土壌から多数のスフィンゴモナス科スフィンゴビウム属の細菌を単離し、ゲノム解析、トランスクリプトーム解析と大腸菌で発言させた酵素を用いた活性測定を行った。それにより、同属の細菌がトマチンを加水分離されて生じるアグリコンのトマジンを変換する酵素も明らかになっている。土壌微生物が植物の分泌する有害成分を解毒するメカニズムの理解増進への貢献が期待される。
研究では、トマト根やトマチンを加えて培養した土からトマチンを分離できるスフィシゴビウム属の細菌を単離することにした。その結果、その場から複数のトマチン分解菌が得られ、それらはスフィンゴビウム属に分類されることが明らかとなった。
また、トマチンが存在する条件で発現が増加する遺伝子をトランスクリプトーム解析により明らかにした。糖加水分解酵素ファミリー(GHファミリー)に類する複数の遺伝子はトマチンが存在する条件で発現が高くなることも見出している。
ほかにも、トマチンにつく4つの糖は順番に分解するとこれまでされていたが、今回候補として遺伝子のうちSpGH3-4、SpGH39―1、SpGH3-1、SpGH3-3が協調して働くことでトマチンからトマチジンに加水分解されることが判明している。