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加齢に関連する脳疾患を鑑別可能 東北大研究Gが新しい血中バイオマーカー発見

東北大学の福永 浩司名誉教授らによる研究グループは25日、細胞内で脂肪の輸送と貯蔵に重要な役割を果たす「脂肪酸結合タンパク質(FABPs)」がレビー小体病のバイオマーカーとして機能する可能性を調査したと発表した。その結果、FABPsがレビー小体病の潜在的な新たなバイオマーカーとして機能し、加齢に関連する脳疾患との識別に役立つ可能性があるとした。今回の研究で認知症などが予測可能になることによって、早期治療と根本治療が可能になるとしている。

研究ではFABP3というたんぱく質がレビー小体病の進行に関与することを検討。まずアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、軽度認知機能障害(MCI)の患者600人および健康な対照群の血漿中のFABPsレベルを測定し、それらを比較した。

その結果、FABP3の血漿レベルは全てのグループで増加していることが判明。一方でFABP5およびFABP7はADグループで増加していることが分かった。この結果から、FABPsはAD、PD、DLBおよびMCIを鑑別する潜在的なバイオマーカーと考えられる。

次に既知のバイオマーカーを測定し、臨床症状との相関分析をした。結果、運動機能の低下と相関していることが明らかとなった。これはこれらのバイオマーカーが各疾患における認知機能の進行を予測するのに役立つ可能性があることを示す。

さらにFABPsを含む複数のバイオマーカーの血漿レベルを利用して各疾患を判別するためにスコアリング法を探索した。その結果、MCI対健常者、AD対DLB、PD対DLB、AD対PDなどの比較において高い精度で疾患を区別できることが分かった。これにより臨床症状に基づく診断において、鑑別が難しかったレビー小体病を検出することが可能になった

同大学の研究グループは「現在医療機関や個人での使用に向けた実用化を進行しており、認知症やパーキンソン病を発症前に予測可能になることで早期治療介入と根本治療が実現可能」としている。