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食べることで花粉アレルギー性結膜炎を抑制 東大准教授らが発見

東京大学の村田幸久准教授らの研究グループは22日、脂肪酸であるEPAの代車物5,6―dihydroxy―8Z,11Z,14Z,17Z―eicosatetranoic acid(5,6―DiHETE)が、アレルギー性結膜炎の症状を抑制することをマウスモデルで明らかにしたと発表した。近年急増している花粉症を含むアレルギー結膜炎患者に対し、食べることでQOL改善に役立つ技術の開発につながるものと期待される。研究Gでは、花粉症の症状を和らげる技術の開発を進めていく予定だ。

アレルギー性結膜炎は、結膜でアレルギー性の炎症が起こる疾患。花粉などの抗原に活性された結膜が、再度抗原にばく露されると、強い炎症を引き起こす物質を大量に放出しいて炎症やかゆみなどの症状がでる。だが、現在ある薬では副作用がでる一方で、炎症を完全に抑えられない。副作用の少ない薬が求められている。

研究では、花粉症のモデルであるマウスの花粉誘発性のアレルギー性結膜炎モデルを作成し、5,6―DiHETEの投与がまぶたの晴れやかゆみなどの症状を抑制することが判明。5,6―DiHETEがアレルギー反応を起こす「マスト細胞」の活性化と、その後におこる血管透過性の亢進、神経刺激を抑えることが分かった。

更に、5,6―DiHETEの投与は、アレルギー症状を慢性化させる「好酸球」と呼ばれる免疫細胞の結膜へのしみも抑制した。

今後について研究グループは「5,6―DiHETEを魚から抽出し、食べたり飲んだりすることで、花粉症の症状を和らげる技術の開発を進めたい」と話している。