岐阜大学の森崇教授らのグループは21日、臨床で汎用されているMRI磁場(1.5テスラ)での重水素MRI法を開発し、膵すいがん移植マウスモデルにおいて、放射線治療や、抗がん剤治療効果を早期に検出できることを明らかにしましたと発表した。
森教授らの研究では、臨床で汎用されているMRIの磁場強度(1.5テスラ)を用いた重水素MRI法を確立。水に近い性質を持つ重水を造影剤とすることで、膵がんモデルマウスでの重水の蓄積による変化の可視化に成功した。特にがん組織では、重水が蓄積することなどが、放射線治療や抗がん剤による治療に対して早期かつ鋭敏に変化することを発見した。
研究グループは「研究の成果は、がん治療の早期治療効果の判別への臨床展開に加え、様々な重水素含有分子を用いた機能・代謝イメージングへの応用など、広範な応用が期待される」としている。