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青い天使「アオミノウミウシ」 魚もえじきに 東海大など

シラスを食べるアオミノウミウシ(提供:小口晃平講師)

東海大学や新江ノ島水族館(藤沢市)などの研究チームは、海面を浮遊する「アオミノウミウシ」が体から毛のように生えているミノを使って魚やクラゲを捕食していると発見した。米学術誌「エコロジー」に17日付で掲載されている。

アオミノウミウシは世界中の海を漂っており美しい姿から「青い天使」とも呼ばれる。猛毒のクラゲ「カツオノエボシ」を捕食することで、毒針を消化せずに取り込んで武器として利用していると考えられている。

研究ではアオミノウミウシを新江ノ島水族館で観察。これまで、カツオノエボシやギンカクラゲ、カツオノカンムリを専門的に食べるとされてきたが、ミノを手のように使い、シラスを捕食する行動が確認された。

自然界でも同様の行動をしていると推測されており、今後は胃の内容物を調べて実際に何を食べているのかを確認することが課題だという。

東海大の小口晃平(おぐち・こうへい)講師は「ミノを手のように使ってエサを捕食する動画を見たときは驚いた」と紹介。「海産動物には未知なことも多く、水族館と研究機関が連携することで、今後もこのような発見ができることを期待している」と述べている。