文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
三陸沖の黒潮続流 2023年世界最大の海水温上昇幅 東北大調査

東北大学

東北大学の杉本周作准教授らの研究グループは14日、温暖な海水を運ぶ「黒潮続流」が2024年春に青森県沖に達したと報告した。宮城や青森県など三陸沖の水温上昇は水産資源の分布に大きな影響を与える可能性が懸念されている。

2022年末まで黒潮は千葉県房総沖を東に流れていたが、同時期から北に迂回するようになり24年4月には青森県沖に達した。この進路変化は三陸沖の海洋環境に大きな影響を与える可能性があると分析されている。

研究グループは23年4~24年8月では、三陸沖の海面水温の上昇幅が世界で最大であると発見。この異常な進路は南方の高温水の乱入によるものであると分析した。この変化は、深さ700メートルにも及び、400メートル付近までは例年よりも10度以上高いと分かっている。 グループは「暖水性魚類であるミナミクルマダイが宮城県で初めて観察されるなど、生態系バランスが変化しつつある」とコメント。「海洋生態系や水産資源、気象災害への海の変化の影響を検討する上で重要な知見を提供する」としている。