千葉大学
千葉大学付属病院認知行動療法センターの清水栄司センター長らのグループは、統合失調症患者にオンラインによる認知行動療法が有効であることを発見した。国内で初めて開発した「統合失調症に対するオンライン認知行動療法」が効果を示している。
統合失調症は100人に1人が発症するとされ、幻覚や妄想、記憶力の低下などの症状がでる。だが、認知行動療法を提供する医療者の不足などにより、患者の受診が難しい状況にあるという。
研究では統合失調症の陽性患者24人を通常診療のみ行う「対照群」とオンライン認知行動療法も実施する「介入群」に分けた。介入群にはタブレットを使って、週1回50分のオンライン認知行動療法に計7回取り組んだ。
患者の感情や考え方、行動を見直した問題に対する対処方法の改善などを目指したところ、オンライン療法を実施した集団には症状の軽減が認められている。脱落者や有害症状がでた人もいなかったという。
グループは「統合失調症に対するオンライン認知行動療法の有効性を示すことができたことは非常に重要と考えている」と評価。「薬物療法にオンライン認知行動療法も加えた治療を、選択肢として考えていただけるようになることを願う」と説明している。