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モグラの生息状況を山地で調査 土壌環境で生息密度が変化 山形大

アズマモグラ

山形大学の山澤泰大学院生(現:富山大学)と富松裕教授らのグループは10日、東日本に生息する「アズマモグラ」のトンネルを探索して、6カ所の山地林の生息密度の相対評価に成功した。日本生態学会の学術誌「エコロジカル・リサーチ」に同日付で掲載されている。

モグラ類は農地や草地などで生息状況が調べられてきたが、森林や山地では調査が難しく、「どこにどのくらい生息しているか」は調べられてこなかった。

研究グループは千歳山や白鷹山など6カ所の登山道を調査ルートに設定して、2023年4~10月に登山道を横切るトンネルを入念に探索。トンネルにスコップを差して一部を崩し、修復されていれば、「現在モグラが使用しているトンネル」として数えられる。1キロ当たりのトンネル本数を「トンネル密度」として生息の指標としている。

アズマモグラのトンネルが6カ所の地点で計29本確認され、山形県の山地林で広く生息すると確認されている。生息密度は地域によって異なりミミズ類がエサとして重要であると分かった。ミミズの生息場所は土壌環境によって変化することから、アズマモグラの生息密度も土地に応じて異なると分析された。