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「水流」を観測データから深層強化学習で再現 防災や建設工事などで期待(東北大)

東北大学の高奈秀匡教授らの究所グループは20日、実観測データを利用できる新しい流体シミュレーションの方法を開発したと発表した。液体全体の動きを計算して再現することで、バーチャル空間内で表現して、防災や建築工事でも役立てるという。水を用いたバーチャルリアリティの新たな可能性も拓いた。

2020年に東北大学が開発した水の3時限的な流れをリアルタイムに計測できる画期的な手法「磁気的3次元モーションキャプチャの新方式」によって、水中でかき混ぜられている物体が未知の場合でも、それを計測して表す。

研究グループが提案した手法では、静止した液体の状態から、設置したブイの運動データに基づいて液体に作用する力を生成して流れを再現する。この力の算出は、様々な外乱が存在する流れのデータから深層強化学習で学び、その結果から適切な力を探索して実行する。十分な量の学習を経ることで、学習データにない外乱に対しても、高精度な再現ができるようになるという。

研究グループはこの方法によって「防災や建設工事などのために離れた場所での水流のデータ共有ができるようになり、水をコントローラとした新しいゲームを作ることができ、水を感じながらバーチャル環境でコンテンツを利用することが可能となる」としている。