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湧き水のみに生息 新種「シミズヒラマルワカイミジンコ」を発見 北大

シミズヒラマルワカイミジンコ=提供:北海道大学 宗像みずほ

北海道大学の宗像みずほ大学院生や角井敬和講師らのグループは、山梨県の女取湧水(めとりゆうすい)に生息するカイミジンコを新種として報告した。山梨県から北海道まで広い分布域があると推測され、山梨県内のカイミジンコの報告は初だという。

カイミジンコは体長数ミリ程度の甲殻類で、全身は殻に包まれている。今回発見された種は「シミズヒラマルワカイミジンコ」と命名され、台湾の学術誌「ズーロジカル・スタディーズ」の電子版に掲載されている。

グループは2019~24年にかけて130カ所の湧き水で野外調査を実施。山梨県や北海道の複数の湧き水から同種が発見され、1000キロに渡る広い分布域があることが分かっている。湧き水のみに生息しており、興味深い謎が多く残されているという。

宗像大学院生ら研究チームは「湧き水での採集調査においては、本種以外にもまだ多くの未報告種が見つかっている」とし「湧き水を中心とした採集調査の継続とカイミジンコの種名を確定させていく分類学的研究の推進が望まれる」とコメントしている。