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アズマヒキガエル、エゾサンショウウオの成長を阻害 中毒死以外の影響を発見

北海道大学

北海道大学の井上嘉大大学院生らの研究グループは、有毒の外来種「アズマヒキガエル」を捕食した在来種の「エゾサンショウウオ」は正常に成長できなくなることを発見した。有毒外来種の新たな脅威に警鐘を鳴らしている。

研究では室内でエゾサンショウウオの幼生を飼育し、ヒキガエルを一匹のみ与える実験区とエサとしない区に分けた。また、野外を再現した実験を行いヒキガエルの存在と不在を操作して結果を調べた。

その結果、エゾサンショウウオはヒキガエルを一匹でも捕食すると成長が抑制された。幼生時に食べると、16日経過した時点で食べなかった個体よりも成長が25%低下したという。

また、野外実験でヒキガエルが生息するとエゾサンショウウオの平均サイズが小さくなり、生存率も低下していた。

研究グループは「影響を正しく把握することは、外来種対策を推進し、生物多様性を保全するために重要だ」とコメント。在来種の中毒死だけでなく、長期的な生存にも着目する必要があると訴えている。