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ADHDの中核症状緩和法 世界初解明 福井大・鹿児島大・専修大

左から)福井大学の水野賀史准教授、濱谷沙世助教、鹿児島大学の松本一記講師、専修大学の国里愛彦教授

福井大学の濱谷沙世助教らと鹿児島大学、専修大学の研究グループは3日、注意欠如多動症(ADHD)の不注意症状や多動性などを緩和させる認知行動療法を世界で初めて明らかにしたと発表した。

ADHDの療法に薬物療法があるが、完全に治ることは稀。ほとんどは中核症状である不注意症状や多動性、衝動性症状は残るとされる。問題に注目して改善する「認知行動療法」は効果があるとされるが、療法のどのような要素が有益であるのかは分かっていなかった。

グループは昨年2月までに公開された3817症例を調査。ネガティブ思考を受け入れる「第3世代療法」や問題行動を減らす「行動療法」、認知行動療法の順に中核症状の緩和に効果があると判明した。今後は、研究成果をまとめて学術誌などに報告していくという。

濱谷助教は「最良の治療を支援ニーズのある人たちに届けることを実現することで、認知障害の予防にもつながる」とコメント。「今後も実りのある研究に注力していきたい」と力を込めている。